変化に対応できる柔軟で弾力性のあるWMSとは?

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November 14, 2021担当 インフォアジャパン、ソリューションコンサルティング部シニアソリューションコンサルタント 大内 誠

 

世界を根底から揺るがし、ビジネスや日常生活に長期的な影響を残したCOVID-19パンデミックの当初、ロジスティクスとサプライチェーンは混乱の最前線にありました。

効率的なロジスティクスの重要性が高まる一方で、世界的な危機は、特に過去数年にわたって継続的に進化してきた領域である倉庫管理において、デジタル化と自動化への移行の緊急性が高まりました。多くの人は2020年初頭のパンデミック前の時期に特定の傾向を予測していましたが、市場へ未曽有の強制的変革を求めるような変化がこれまでの速度は現実のものとなることは誰が予想できたでしょうか?

倉庫管理のデジタル化にまったなし

過去10年の間に、顧客はますますパワーをもち、今、更なる要求をメーカーに突き付けています。顧客は、できるだけ個人のニーズに合わせてカスタマイズされた製品を、より迅速かつ正確にできるだけ低コストで手に入れたいと思っています。また、メーカーや流通企業は、これまでよりも短期間で注文を処理し顧客まで届けることを期待されています。翌日配達や当日配達の増加は、企業への新たな圧力となる需要標準を工程し創造してしまいました。こうした需要の高まりを受けてサプライチェーンは、機能指向からグローバルで相互接続されたデータとプロセスのネットワークへ急速に進化しています。

さらに製品のラベルや梱包、配送が適切でなければ企業は罰金を科せられ、取引の取り消しと返金を要求されることさえあります。実際、外装箱である段ボール箱に傷がついているという理由で受け取り拒否が行われたり、損害補償の罰金を取られたりするという事例を良く聞きます。梱包や配送形式に対する小売企業の要求が増えたことで、手の込んだ包装が当たり前になりました。しかし、大規模小売店の力が強く、厳しい競争において、こうした追加要求のためにかかる余計な費用を転嫁することはできません。こうした顧客の定義も急速に変化し続けており、複雑化にさらに拍車をかけています。

サプライチェーンは、機能指向からグローバルで相互接続されたデータとプロセスのネットワークへ急速に進化
サプライチェーンは、機能指向からグローバルで相互接続されたデータとプロセスのネットワークへ急速に進化

消費者行動は、今日のロジスティクス業務と倉庫管理の方法における変化の主要な推進力の1つです。オンラインショッピング、デジタル決済、玄関先での配送に対する嗜好の高まりは、eコマースの急成長に貢献し、倉庫管理システムの変革をさらに推進しています。

倉庫管理の課題

倉庫の運用に対するソリューションは、顧客の期待の高まりと拡張性のバランスを取る必要があります。多くの企業は倉庫管理の制約を抱えていますが、多くの場合、次の4つの課題に起因しています。それは、「迅速なオンボーディング」、「労働力の進化」、「スケーラビリティ」、「テクノロジーマネージメント」です。倉庫業務のパフォーマンスと生産性を向上させるには、これらの問題に適切に対処できていない現実に向き合わなければならないと考えます。

迅速なオンボーディング

  • 新規顧客のオンボーディング用の小さなウィンドウ
  • 同じ施設からの複数のフルフィルメント・チャネル
  • 特殊なニーズを持つ複数の産業にサービスを提供

労働力の進化

  • 追加要員の必要性の増加
  • 新しい仲間を迅速に訓練する能力
  • 成功のために構築された技術で次世代の労働力を武装

スケーラビリティ

  • 新しいクライアントニーズに合わせてオペレーションを拡張する必要性
  • ブラックスワンのイベントによる成長の中断
  • ポップアップと動的な倉庫

テクノロジーマネジメント

  • OMS、TMS、ERPなどとの統合の必要性の高まり
  • 老朽化したオンプレミス技術スタックの維持の困難
  • 複数の顧客システムとの通信の必要性
倉庫管理の4つの制約

多くのメーカーや流通企業は、在庫を詳細に追跡することができないような古いERPシステムをいまだに使い続けており、倉庫内の別々の場所に保管されている同一製品を把握するのに苦労しています。既存システムでは、異なるパレットがひとつの在庫バンドル、あるいはロットとして認識されるため、こうしたパレットのロットや有効期限を追跡することができません。また、スペースを最適化できていないことが原因で、作業員が誤ったロケーションに製品を格納してしまい、誤った在庫回転の順番で顧客に製品を出荷してしまうという問題が発生します。

古いERPシステムでは、労働力の生産性をプロアクティブに管理・監視するために必要な機能がありません。作業員が最も生産性の高い方法で作業に当たり、パフォーマンスを最大化できるように庫内作業を指示する方法がなく、ある日の個人のシフトを監視して、勤怠や作業時間を把握することもできません。倉庫業務をクラス最高レベルに効率化して競争力を維持したいならば、既存のERPシステムに囚われずに、先進的な機能を取り入れなければなりません。

今回は全二回の第一回目として倉庫管理を取り巻く市場の状況と課題について記載しました。第二回目はここで上げた課題に対する解決策を検討記載したいと考えています。

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