Maxeon が Infor MES でトレーサビリティ、コンプライアンス、効率を向上

エグゼクティブサマリー

Maxeon は太陽光 PV モジュール事業の革新的な大手事業者です。2016 年には、記録的な世界一周飛行を達成した燃料ゼロ飛行機「ソーラーインパルス 2」への技術提供も行っています。Maxeon は爆発的な市場需要とソーラーパネルの価格下落がもたらす課題に対処するための手段として、自動化とスマート製造に目を向けました。変革のきっかけは、メキシコ、エンセナーダに新たな工場を建設したことです。スマート機器、プロセスの改善、高度なプラントオートメーション、MES ソフトウェアを組み合わせた製造システムによって、効率が向上しただけでなく、トレーサビリティ、コンプライアンス要件を満たしました。ラインあたりの生産量が 2 倍になり、ワットあたりの総コストが約 6% 削減されました。

急速な成長には伴う固有の課題

過去 10 年間で、Maxeon は、従来のエネルギー源をしのぐ再生可能エネルギー源への人気の高まりから、大きな利益を生み出してきました。世界中で、個人の住宅所有者から大企業までが太陽光発電に着目しています。しかし、爆発的な成長には固有の課題が伴います。

太陽光 PV モジュールの価格は下がり続けており、競争力、コンプライアンス、イノベーションを同時に維持することは至難の業です。近年、Maxeon は生産コストの低い場所に工場を設けるなど、コスト削減計画を実施しました。しかし、業務の大部分が依然として手動で行われており、競争も激化し続けているため、これらの方策が十分ではないと判断しました。

Maxeon はトレーサビリティとコンプライアンス要件を満たすために MES ソフトウェアを使用するメリットを以前から認識していました。メキシコの新たな組立工場の計画を進める際に、経営陣は、高度なプラントオートメーションと MES ソフトウェアの組み合わせによって得られる新たな機会を活用するべきだと判断しました。

Maxeon エンセナーダ: 自動化と MES によるスマート製造

Maxeon は部門をまたいだクロスファンクショナルチームを編成し、12～18 か月で ROI を達成することを目標として、自動化を最大限に活用する製造システムの再設計プロセスに着手しました。MES ソフトウェアは、プラントの運営をスマート化するうえで中心的な役割を果たすことになります。

ビジネス目標の設定

将来的な工場に関する全般目標は、フル稼動で約 3,000 個の高品質モジュール、1 日あたり 1 メガワットを生産することでした。しかし、どうすればこの目標を確実に達成できるでしょうか。そこで、最初にスループット、ラインあたりの生産量、直接労働の削減、ワットあたりのコストの観点で目標を定量化しました。ソリューションの設計では、これらの目標を達成する必要がありました。

MES ソフトウェアアプリケーションを提供するパートナーの選択

MES ソフトウェアアプリケーションは、スマート製造オペレーションの中枢として機能する必要があります。既存のツールとシームレスに統合でき、最小限の投資でも拡張性があり、新しいラインを簡単かつ低コストで追加できるものである必要がありました。

「全体の設計に適合し、迅速な実装に対応でき、予算内に収まり、操作を容易に習得できる MES システムが必要でした。そこで Infor® MES を選択することにしました。すでに他の工場で使用しており、これらの要件を十分に満たしていたからです」と、工場全体の主要なイニシアチブを担うエンタープライズアプリケーション担当ディレクター、Manoj Kumar Gona 氏は述べています。

Infor MES

理想とする自動化のレベルを達成するには、MES をプロセスの深部に組み込む必要がありました。これは、機器の必要箇所に設置した自動スキャナーとセンサーを介して MES と機械が継続的に通信できるようにすることで実現しました。

スマート製造、プロセスの改善、スマート機器によって、Maxeon は手動操作時と比較して直接労働を約 40% 削減、スループットタイムを約 40% 削減できました。「自動化は時に雇用喪失と関連付けられますが、充実した研修プログラムの結果、メキシコのエンセナーダ工場では作業員には新しいラインに再び就労してもらうことになり、実質的に雇用喪失はありませんでした」と Gona 氏は語っています。

これらの改善により、1 ワットあたりのコストが 6% 削減され、純利益の向上に直接影響をもたらしました。またよりスマートで効率的な事業運営を行ううえで Maxeon に数々のメリットをもたらしています。

• 保証請求のリスクの減少
• トレーサビリティの改善によるコンプライアンスの強化
• 自動化による人的エラーの減少
• 新製品導入 (NPI) のアジリティ (俊敏性) の向上