2021年6月10日に、ガートナー社が、日本企業のクラウド・コンピューティングに関する調査結果を発表しました。国内において、クラウドの利用は確実に広がり、特にSaaSが2020年調査から8ポイント増の39%となっています。
ただ、「この背景には、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) の影響によるWeb会議ソリューションの利用拡大などがあります。」とのことです。拡大はうれしい限りですが、日頃、業務で多くのSaaSアプリケーションを利用している私には、欧米で比較して、まだまだこれから感はあります。
今、翔泳社のEnterpriseZineで個人的な見解で連載をしていますが「続々と日本に参入する海外SaaSは導入すべきか?」を寄稿し、欧米のSaaSの利用への違いを記載しています。簡単に述べると、欧米はよいサービスであれば、該当部門が積極的に導入しているということです。それで、業務オペレーションや生産性を改善しています。ミッションクリティカル度でSaaSアプリケーションの導入のやり方も変わるでしょうが、ある意味、ミッションクリティカル度が低いSaaSアプリケーションは”気軽に”導入が進んでいます。もちろん、Systems of Record系のSaaSアプリケーションの導入はより慎重になります。コア業務を支えるアプリケーションの寿命は、約10年と長く、進化も見据える必要があります。ただ、スマートフォンでSaaSアプリケーションの利用が当たり前になった今、その波は確実にエンタープライズ市場に来ると予想します。そして、スマートフォンの別の良い影響は、そのCXがエンタープライズアプリケーションにおいても、コンシューマグレードになり、とても使いやすくなることです。
なお、ガートナーの調査から見える課題としては、「クラウドに対する上司の理解度については、『理解しておらず困っている』という回答が4割近くに上り、『理解しているとは言えない』という回答と合わせると、7割の企業では、マネジメント層の理解度の問題が生じている実態が浮き彫りになりました。」とのことです。
最近、当社では、分かりやすいオンプレミス/ホスティングとマルチテナントクラウドの比較資料を公開しましたので、ぜひご覧ください(そして、上司にお見せください)。拡張性と耐障害性、継続的なイノベーション、総所有コスト(TCO)、Time to Valueの実現、セキュリティの観点で比較しています。なんといっても、継続的な機能の向上と動的にリソースがアサインされるElasticな環境が、マルチテナントクラウドの魅力だと考えます。
また、いまだにクラウドはセキュリティが心配だという声も聴きますが、当社の場合AWSの基盤でSaaSを構築しており、ISO/IEC 27001:2013、27017:2015、および 27018:2014 への準拠など世界最高レベルのAWSのセキュリティに守られています。自社でこれだけのセキュリティレベルを維持するとなると、大変な投資と労力が必要になり、AWSのセキュリティへの投資を活用するのは賢い選択の1つかと思います。
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